【三鷹市】地域交通における オンデマンド交通サービス

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三鷹市と共に進む、地域交通の革新(オンデマンド交通)

●サービス概要

実証期間:2022年10月24日~2023年9月30日(予定)
サービス提供エリア:三鷹市大沢地区・三鷹市役所・杏林大学病院・元気創造プラザ
利用方法:アプリ「三鷹市 大沢AIデマンド」または電話予約
運行事業者:タクシー会社2社(全2台体制)
Webサイト:リンク(三鷹市ホームページ)

●課題

人口19万人、そのうち65歳以上が20%以上を占める三鷹市において、高齢者の活動性を支える移動手段の確保は重要な課題でした。特に、細く急な坂道が多い住宅街では、自宅からバス停まで数百メートル歩く地域も少なくありません。大沢地区ではコミュニティバスを運行していましたが、ルートや本数の問題があり、交通不便地域での面的な課題解消が求められていました。 

●ソリューション

三鷹市の交通課題解決のため、当社のオンデマンド交通運行システムを導入し、タクシー会社の協力のもと、コミュニティ交通として車両2台を運行しています。
三鷹市向けには市民が簡単に乗車予約を行えるように設計された、ホワイトラベルアプリを開発しました(車椅子ユーザー向け予約機能も開発・実装)。
また、交通事業者向けには電話での予約受付が可能な管理画面も提供しています。こちらは運行効率を最大化するため、弊社の技術で正確な所要時間を計算し、最適なルートを提案します。
ドライバー用のアプリでは、道路規制情報にも対応したゼンリンの道路ネットワーク情報を採用し、直感的なUIでドライバーの運行を支援しています。
上記のサービスについては、導入後の様々な要望に対しても、パラメーターの調整や追加開発などにより要望内容を実現しております。

●結果

期間中、利用者数は増加を続け、現在では休止されたコミュニティバスの利用者数に迫る乗車人数を達成しつつあります。(2023年5月時点) また、即時配車が可能であることや、メッシュの細かい乗降ポイントネットワークのおかげで利便性が向上。通院や買い物がより便利になり、高齢者の活動性が向上しました。さらに、アプリのUIに対してはユーザーから高い評価を得ています。

利用者の声

-      普段なら近いけど歩いては行けなかったところに行けるようになった。
-      車の現在地もわかり、待たずに乗れて便利。
-      坂が多い大沢地区で車椅子でのバス停迄行く事が困難で、タクシーを使わざるを得なかった生活でしたが、料金も安価で近くの場所から乗降出来、有り難く感じています。
-      簡単に乗車予約が出来る。
-      乗り継ぎをしながら杏林大学病院へ通っていたのが天気にも左右されずに便利になった。
-      完璧です。

三鷹市都市整備部交通ネットワーク推進担当部長 齊藤 大輔 様(左)、SWAT Mobility Japan株式会社 代表取締役 末廣 将志(右)

●三鷹市からのコメント(三鷹市都市整備部交通ネットワーク推進担当部長 齊藤 大輔 様より)

―システムへの期待値と実感

AIデマンド交通という新しい交通手段の導入にあたり、SWATのリアルタイムな情報管理が可能であるという点や、利用者に対し「つかいやすく」「わかりやすい」直感的な操作が可能な予約システムであるという点に大きな魅力を感じています。10代から80代まで幅広い世代で利用がある中で、電話とアプリの予約割合が1:1であることから幅広い世代に受け入れられていると実感しています。

―SWATのアルゴリズムによる相乗り効果に満足しているか

運行開始当初に比べ利用者が3倍程度まで増加していることに比例して、相乗り率も増加傾向にあります。一方で、予約リクエストが増加しても配車不成立となる件数が非常に少なく、最適なルーティングと予約管理がなされているものと感じています。

―SWATのシステムに感心した点、不満な点

期待したとおり、システムのレスポンスの早さには感心しました。短距離型デマンドを運行するにあたっては、情報の処理、反映のスピードが生命線となりますので、リアルタイムな予約システムは利用者の満足度向上につながっているものと考えています。また、運行開始からこれまでに大きなトラブルもなく、運行を担当する乗務員からも好評をいただいています。
一方、相乗り許容や車両の待ち時間等については、パラメーターの調整により最適なアルゴリズムを模索することになりますが、一つの数値を変更すると様々な方面に影響を及ぼすため、調整が難しいと感じることがあります。例えば、異なる2名が同時刻に同一のポイントから乗車リクエストをした際に、乗車時刻に差が出てしまうといった課題もありますが、今後、さらなる分析や機械学習を進めることによって、最適なアルゴリズムを見つけられるものと考えています。

―サポート体制に対する感想

システムに関しては専門的な知識を要する内容も多いですが、担当者とは連絡を密に取ることができ、些細な疑問や細かなトラブル等が発生した際も迅速に対応いただいています。また、PRイベント等にも積極的にご協力いただいており、一体となってAIデマンド交通の実証に取り組んでいただいています。

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