ー SWAT Bizの導入目的をお教えください。
JCOMでは、2018年に社内イノベーションプランの一環として、社内ベンチャー制度の公募が開始されました。そこで、地域のお客さまの足となるようなライドシェアサービス案を応募し、採用されました。フィージビリティスタディをしていく中で、規制などの障壁が多くあることも分かり、まずは社内の営業スタッフ向けにライドシェアサービスを実施することで、ノウハウを蓄積することにしました。
ーSWAT Bizを採用した理由をお教えください。
採用を検討していた当時は、配車システム・ルーティング技術を社会実装している国内企業は少なかったです。SWATは、シンガポールなどで既に一般消費者向けにライドシェアサービスの導入実績があったことがいちばんの決め手でした。また、国内企業はシステムの提供形態がwebだけという企業も多いのですが、SWATはスマホアプリでサービスを提供していることも魅力でした。更に、SWATからは、エリアの広さ・ユーザーの人数・車両数などを組み合わせたシミュレーションを実施いただき、最適な車両数や車両待ち時間などのサービスレベルを提案いただきました。JCOMは、ライドシェアサービスを手掛けるのが初めてでしたので、このようなサポートをしていただけたことが信頼につながりました。
ーSWAT Bizをどのようにご利用になっていますか?
当社の営業スタッフが訪問先へ移動する際のライドシェア配車用のアプリとして利用しています。営業スタッフは「SWATBiz」アプリに乗降場所や到着希望時間を入力し、乗車予約をします。予約をしてから、概ね10分以内に当社の専用車両が到着し、営業スタッフを乗せ、移動します。訪問が終わったら、次の訪問先を入力して乗車予約をし、移動します。営業スタッフの1日の全ての移動が「SWATBiz」アプリからの配車で行われています。
ー導入してどんな効果がありましたか?
これまで営業スタッフ一人につき一台ずつ営業用の軽自動車を用意していたのですが、「SWAT Biz」アプリを導入することで、車両台数を減らすことができました。
また、駐車場を探す時間や駐車場から訪問先まで歩いて移動する時間が削減されましたし、移動中に事務作業ができるようになったことで、営業スタッフの月次残業時間が平均10時間削減された営業拠点もあります。訪問効率が上がったことで訪問件数が増え、成約件数も20%上昇した営業スタッフもいます。
社員が車を運転する必要がなくなると、必然的に事故が減少します。事故に遭ってしまうと、事故処理に時間を取られて営業活動に費やす時間が少なくなったり、社内的な事務処理が増えたりしてしまいます。何より、社員自身が怪我をしてしまうかもしれません。こうしたリスクが減ることで、営業スタッフとそれを支える社員の運転に関するストレスが減少し、働き方も改善されました。
ーSWAT Bizの浸透のために、どのような取り組みをしていますか?
当社の営業スタッフは20-30代の社員が多く、「SWATBiz」アプリの使い方研修をして、一週間もするとすっかり浸透しました。
今では「SWATBiz」アプリの活用範囲をさらに広げています。例えば、最寄り駅から営業拠点では、通勤にも「SWATBiz」アプリを利用しています。また、各拠点間での荷物の配送にも、「SWATBiz」アプリを活用しています。
ー 今後SWAT Bizを活用してどのようなことを実現したいですか?
これから2~3年をめどに、JCOMの全66営業拠点で「SWAT Biz」アプリを利用したライドシェアサービスを展開し、営業用軽自動車を現在の4,500台から半減させる予定です。これにより当社が取り組むSDGsの一環としてCO2削減を実現できると考えております。
さらに、地域のお客さまに使っていただける消費者向けライドシェアサービスも検討していきます。高齢の方など、移動に課題を持つ方々に、さまざまな移動サービスを提供したいと考えています。社内のライドシェアサービスにとどまらず、地域のお客さまの快適な暮らしをサポートしていければと思います。